口腔内細菌の全身への影響

8月 24, 2019

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Periodontal medicineという言葉を耳にするようになって久しいですが、近年さまざまな疫学的研究や細菌学研究などにより全身疾患と歯周疾患との関わりが示唆されてきています。

口腔内細菌の全身への影響


う蝕病原細菌は歯の表面でしか増殖することはできませんが、歯周病原細菌は血液中に侵入して増殖できるため、血流に乗って全身に疾患を引き起こす危険性をもっています。たとえば、心筋梗塞で亡くなった方の冠状動脈から歯周病原細菌が検出されたり、最近では四肢の閉塞性動脈疾患の特定疾患バージャー(ビュルガー)病患者の閉塞動脈からも口腔内と同じ歯周病原細菌が検出されたという報告があり、難病とされる当疾患の今後にも大きく関与していることがわかってきました。さらに歯周病原細菌は、細胞壁の内毒素(LPS)によって、生きていなくても血中にあると全身に炎症を起こすこともあるため、さまざまな角度から研究がすすめられています。実際歯周ポケットから発見されたため、現在は歯周病原細菌とされていますが、このように本当の標的臓器は大好物の鉄分(ヘム鉄)が含まれる血液の豊富な血管や心臓なのかもしれないという説もあるほどです。


また、循環器以外にも気道に入り呼吸器系の感染症、肺炎などを引き起こしたり、間接的ではありますが、細菌感染による炎症反応で生じたプロスタグランジンなどが子宮を収縮させ、早産や低体重児出産の要因にもなると言われています。実際に早産や低体重児出産は、歯周病の母親に多いことが多くの研究からわかっています。