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超音波スケーラーの豆知識

June 28, 2017

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歯周治療において,歯肉縁上歯石,歯肉縁下歯石を確実かつ効率的に除去する方法が常に求められてきた。現在ではスケーリングの手段として,手用スケーラーを用いる方法に加え,パワードリブンスケーラーと呼ばれる超音波スケーラーやエアスケーラー(または音波スケーラー)など,振動を利用して歯石を破砕する器具が開発され,広く利用されている。

とくに超音波スケーラーの原理は,超音波発生装置による電気振動を振動子で機械振動に変換し得られた高振動エネルギーをチップに伝達し,それで生じる微細振動を利用して注水下で歯石を剥離,破砕するものである。

具体的には超音波スケーラーは,1)超音波振動するチップによるメカニカル(機械的)な歯石の破砕,2)冷却目的の注水によるポケット内イリゲーション(洗浄),3)水と超音波振動により発生した気泡が内方向に破裂するエネルギーを利用したキャビテーション(空洞現象)の効果,4)マイクロストリーミング(渦状の定常流)によるキャビテーション領域の拡大などの効果により,ポケット内のデブライドメントを行うとされる。

現在の超音波スケーラーは,チップがより細く長く,歯周プローブに類似の形状と太さとなり,また使用時に発生する熱の冷却と除去された削片をポケットから洗い流すための注水効果も向上し,歯肉縁上だけでなく歯肉縁下への積極的応用が可能となっている。そしてとくに手用の鋭匙型スケーラー(キュレット)の操作では不得意とする深い歯周ポケット,幅が狭く刃の動きが制限される歯周ポケット,同じく根分岐部などに対応した形状のチップの開発により,その利便性が飛躍的に高まっている)。

それゆえ,超音波スケーラー(歯科治療機器)使用時の注意点としては,アクセスする根面や歯周ポケットの形態に応じた適切なチップの選択,チップの形状に合った的確なストロークや接触圧および角度の維持を心がける必要がある。重要なこととして,チップは使用時間が長くなることで先端部が磨耗して形状が変化し,明らかに作業効率が低下する。よって製品にはチッ各プの磨耗状態を確認するガイドが附属しているので,磨耗率が大きくなった場合には交換する必要がある。作業効率を維持し,セメント質への過剰なダメージを避けるためにもこまめなチェックが必要である。

さらに実際の作業時には適切な超音波のパワーと水量レベルはキャビテーション効果に影響を与えるため,目的に応じた適切なパワーの調節と水流コントロールが必要である。